こどもの予防接種について

こどもの予防接種のイメージ写真

予防接種は、ある種の病原体に対する免疫能(感染を防ぐ能力)がない者に、その病原体に対する免疫能を与えるために行われます。
感染症の項と一部重複しますが、予防接種の対象となる疾患の危険性について、以下に簡単に記載します。
ワクチン接種によってその疾患の感染、発症、重症化、感染症の蔓延のいずれか一つでも予防できれば、副反応のリスクを差し引いても、お子様には多大な利益があるものと考えられます。

定期予防接種と任意予防接種

小児の予防接種には定期接種と任意接種があります。
定期接種は、予防接種法に基づいて各自治体(市区町村)が実施します。
この場合、指定された期間(推奨年齢)に接種すれば費用は原則、公費負担(無料)となります(期間外の場合は全額自己負担)。
予防接種の予診票は、杉並区以外に東京23区・武蔵野市・三鷹市のものがご利用できます。
ただし、武蔵野市・三鷹市在住の方がBCGを接種希望される場合には、依頼書が必要になりますので、各自治体に確認をお願いします。

任意接種は、個人(保護者)の判断によって受けるかどうかを決めるとされているもので、接種に関する費用は自己負担となります。
任意接種の「おたふくかぜ」につきましては、杉並区在住の方は区より助成を受けられます。
ただ、任意接種とされるワクチンの中には、外国では定期接種扱いになっているものもありますので、定期接種と同様に接種されることが望まれます。
なお、小児が接種する定期予防接種と任意予防接種は以下の通りです。

ちなみに予防接種後、副反応等によって健康被害がみられたという場合は、予防接種法で定められた予防接種健康被害救済制度が適用されます。

小児の定期予防接種(対象年齢内での接種は無料)

不活化ワクチン

ヒブワクチン
生後2~4ヵ月の間に3回、12~17ヵ月までに1回の計4回の接種を推奨
小児用肺炎球菌ワクチン
生後2~4ヵ月の間に3回、12~15ヵ月までに1回の計4回接種を推奨
B型肝炎ワクチン
生後2~3ヵ月の間に2回、7~8ヵ月までに1回の計3回接種を推奨
4種混合ワクチン
DPT-IPV:ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ
生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回の接種を推奨
2種混合ワクチン
DT:ジフテリア・破傷風
11~13歳未満の間に1回接種
日本脳炎ワクチン
3歳の間に2回、4歳の間に1回、9~12歳の間に1回の計4回を推奨
現在、日本脳炎ワクチンが入荷停止となっており、当院では接種できません。入荷次第その旨を掲示いたしますので、しばらくお待ちくださいませ。

生ワクチン

麻しん(はしか)・
風しん混合ワクチン(MR)
1歳~2歳の誕生日前に1回、5歳~7歳の誕生日前までに1回の接種を推奨
水痘(水ぼうそう)ワクチン
生後12~15ヵ月で1回、その後6~12ヵ月開けて1回の計2回を推奨
BCGワクチン
5~8か月未満の間に1回の接種を推奨
子宮頸がんワクチン(HPV)
中学1年生の女子が対象で計3回の接種を推奨
※2013年6月から積極的接種推奨は中止
ロタウイルスワクチン
1価(ロタリックス)もしくは5価(ロタテック)のどちらかを選択して接種
1価は計2回、5価は計3回の接種:生後6週~14週6日までが推奨期間。2(3)回目は1(2)回目の接種から4週間以上開ける。1価は生後24週目まで、5価は生後32週目までに完了する
  • 生ワクチンは病原性を極度に弱めたウイルスや細菌等をワクチンとしたもの。
  • 不活化ワクチンは培養された大量のウイルスや細菌を集めて薬剤で不活化しワクチンとしたものです。

任意予防接種(原則、自己負担)

生ワクチン

おたふくかぜワクチン
計2回:1歳過ぎたら早期に接種、2回目は5歳以上7歳未満の間に接種する

不活化ワクチン

A型肝炎ワクチン
計3回:1歳から接種可能、1回目から2回目は2~4週間の間隔で接種し、その約半年後に3回目を接種する
インフルエンザワクチン
13歳未満は計2回:生後6ヵ月以降の全年齢が対象で、毎年流行前の10~11月に接種する。1回目と2回目の間隔は2~4週間ほど空ける
髄膜炎菌ワクチン
1回:2〜55歳までに接種
  • 杉並区では、おたふくかぜワクチンの費用の一部助成をしています。詳細は、杉並区の公式サイトをご覧ください

スケジュール管理はご相談ください

上記のように小児の予防接種は、数多くの種類と同じワクチンを複数回打つことから、なかなかスケジュールを把握しづらいという保護者の方の声をよくお聞きします。
当クリニックでは、打ち漏らしが心配とお悩みの方にスケジュール管理のサポートも行っています。
詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。
以下に定期接種スケジュールの例を示しますので、ご参考にして下さい。

スケジュールA:現在最もポピュラーな接種スケジュールです

月齢
接種ワクチン
2か月
肺炎球菌+ヒブ+B肝+ロタ
3か月
肺炎球菌+ヒブ+B肝+四混+ロタ
4か月
肺炎球菌+ヒブ+四混(+ロタ)
5か月
四混+BCG
7か月
B肝(初回から20~24週間後)
12か月
MR+水痘(+おたふく)
13か月
肺炎球菌+ヒブ
18か月
四混+水痘

スケジュールB:1度に多くの注射をしたくないお母さんのために

月齢
接種ワクチン
2か月
B肝+ロタ
肺炎球菌+ヒブ(1週間後)
3か月
B肝+四混+ロタ
肺炎球菌+ヒブ(1週間後)
4か月
四混(+ロタ)
肺炎球菌+ヒブ(1週間後)
5か月
四混+BCG
7か月
B肝(初回から20~24週間後)
12か月
MR+水痘(+おたふく)
肺炎球菌+ヒブ(1週間後でも可)
18か月
四混+水痘

予防接種の対象となっている疾患そのものの危険性

百日咳
脳症や無呼吸などで死亡.死亡率1%
ジフテリア
発症すれば喉頭炎、心筋炎によって10%の死亡率
ポリオ
感染した100人に1人が手足にまひを残す
日本脳炎
発症すれば死亡率12%、生存しても半数に後遺症
麻疹
肺炎、脳炎による死亡が多い.先進国での死亡率0.1%
風疹
お母さんが妊娠初期にかかると、高い確率で赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症する
水痘
成人、妊婦、免疫抑制状態にある人は重症化しやすい
流行性耳下腺炎
難聴を発症する確率0.1~0.5%、おたふくの難聴には治療法がない
B型インフルエンザ菌、肺炎球菌
ワクチン開始前は化膿性髄膜炎の起因菌の80%がこれら.発症すると30%が死亡するか、知的障害や難聴などの後遺症を残します
B型肝炎
乳幼児は感染によりキャリアーになったり慢性肝炎を発症し、肝臓がんにまで進行することもあります.成人が感染すると多くは急性肝炎を発症し、稀ですが劇症肝炎で死亡することもあります
ヒトパピローマウイルス(HPV)
子宮頸がんは国内では年間約10000人が発症、約3000人が死亡します。HPVワクチンが子宮頸がんの発症率を減少させることは既に証明されています。以前HPVワクチン接種によって複合性局所疼痛症候群が発症すると言われていましたが、その後国内外から両者に因果関係は無いという見解が出されております。また、HPVワクチンを接種した338万人のうち、慢性疼痛などの症状が持続している方が186人しかいないことなどを考慮すると、HPVワクチンを接種した方が得られる利益ははるかに大きいものと考えられます。痛みが強い注射なので希望があれば注射の前に痛みを軽減するテープを貼りますので予約時にご相談ください。なお、テープは予約時間の1時間前に貼る必要があるので事前にお越しください。 エムラパッチの写真
BCG
乳幼児の初感染結核は髄膜炎などを併発しやすく重症である。
新型コロナウイルスをはじめとする呼吸器感染症に対する抵抗力を向上させると言われている。

大人の予防接種について

大人の予防接種のイメージ写真

予防接種のワクチンは細菌やウイルスなど感染症の原因とされる病原体を弱める、もしくは無毒化して作られた薬剤です。
これを体内に接種することにより、その病原体(特定の病気)による免疫が実際に感染をしなくてもつくようになり、特定の感染症に罹りにくくなることが期待できます。
それでも感染することはありますが、接種をしたことにより重症化するリスクが避けられるようになります。
当クリニックではインフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を行っています。それ以外のワクチン接種を希望される場合は、個別にご相談ください。

インフルエンザワクチン

インフルエンザ予防対策には、こまめに手洗い・うがいをするなどいくつかありますが、その中でも最も有効とされているのがインフルエンザワクチンの接種です。
このワクチンは年齢によって接種する回数が異なります(13歳未満は2回、13歳以上は1回)。
ちなみに2回の接種を要する場合、1回目の接種後、2~4週間ほど空けてから2回目を接種するようにしてください。
毎年12月から3月頃にかけてインフルエンザが流行すること、同ワクチンの持続効果が約5ヵ月間であること、接種後に効果が現れるまで約2週間必要といったことから、インフルエンザワクチンは11月中旬頃までには接種することをおすすめします。

インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ特徴を変えて違うタイプが流行します。
したがって、今後もインフルエンザの発症をできる限り予防したいという場合は、毎年接種するようにしてください。

肺炎球菌ワクチン

肺炎は、日本人の死因第5位(2017年(平成29年)厚生労働省「人口動態統計」より)となっている疾患です。死亡に至った95%以上の方が65歳以上の高齢者となっています。
肺炎は免疫力が低下している高齢者や基礎疾患をお持ちの方などに発症しやすいとされ、感染の原因となる病原体も様々ありますが、成人が発症する肺炎の多くは肺炎球菌と言われています。

肺炎球菌ワクチンの接種は多くの自治体で高齢者の方は公費が一部助成となっています。対象者となる方はできるだけ接種しましょう。
また対象者以外の方が接種する場合は全額自己負担ですが、接種自体は可能です。
この肺炎球菌ワクチンの接種によって、肺炎球菌による肺炎に罹患しにくくなるほか、もし感染したとしても重症化を防げる可能性が高くなります。

なお肺炎球菌ワクチン接種による注意点ですが、接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出ることがあります。
再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けてください。